人気お笑いコンビ2700の八十島弘行と人気コメディ劇団シアターザロケッツ荒木太朗がタッグを組んだプロジェクト
「YASOSHIMA Theater~新しい演劇の世界へようこそ〜」の上演がいよいよ今週7月6日から中板橋新生館スタジオにてスタートする。
様々な個性溢れるキャストが登場し、“笑い”を多角的にアプローチした今までにない演劇作品に仕上がっている。
違う角度から“笑い”を追求してきた二人の演出家、八十島弘行、荒木太朗のクリエイティブに迫る。


お芝居だと、いろんな人も出せるし、いろんなことができる。
面白いことができる幅がめちゃくちゃ広がる。(八十島)

・八十島さんが芝居の演出をするようになった経緯をお聞かせください。

八十島弘行(以下、八十島)
芸人・2700としてやってきた中で思ったのは、やはり2人だけだということ。それに「もっとリズム以外にもオモロイことあるんだよ!」という思いもあったんです。それでお芝居に目を向けた。いろんな人も出せるし、いろんなことができる。面白いことができる幅がめちゃくちゃ広がるなと思ったんです。前々から、1回やってみたいなと思っていましたね。

・最初のきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。

八十島  最初は朗読劇の脚本をお願いされたんです。芸人に書いてもらおうという企画の中で、僕に白羽の矢が立って。そうやって書いた脚本を「独特だね」と言われて。この話をくれた人は、1度も「面白いね」とは言わないんですよ。でも「独特だね」とは言う(笑)。「誰も考えない観点を持っているね」と、それからちょこちょこ「書いて」と言われるようになりました。僕自身も評価されているのかされていないのかわからないんです。もう5年くらい経ちますけど、未だに面白いって言われたことないですから(笑)!

・そして、脚本家としての道がスタートしたんですね。

八十島 「もっと長いのも書いてみないか」「芝居もやらないか」と言われるようになったんです。そんな中で、仲良くさせて頂いていたプロデューサーさんの友人だった小宮山さん(ILLUMINUS)から「お芝居とか興味ありませんか?」って誘われて。「ものすごくやってみたかったんです!」と答えて、今回の舞台が始まりました。

・トントン拍子に導かれているような展開ですね。

八十島  そうですね、恵まれているなと思います。すごくワクワクします。

・今回は演出などにも深く関わられていますが、作っていていかがですか?

八十島  今、自分の思い描くようにやれているので「よし、これで良いお芝居ができるぞ」という意識はあります。「不安だな」という気持ちはないんです。演出面に関しても好きなようにやらせてもらっていますね。それが正解かどうかはわからないですが(笑)。思い描くことはあるので、それを伝えていっているような感覚です。

八十島弘行


お笑いコンビ「2700」として、キングオブコント2011準優勝。
芸人だけでなく最近では演出家・脚本家・音楽プロデューサーとしても活動の幅を広げる。

荒木太朗


広島大学工学部卒業後お笑い芸人を目指し上京し、田中卓志氏(現アンガールズ)とお笑いコンビ「ラスカルズ」を結成し活動。
解散後、演劇の世界での活動を開始する。「劇団シアターザロケッツ」主宰。


ヤソがイメージしていることを形にしてあげたい。
それが苦しくなくて、楽しいんです。(荒木)

・荒木さんが演出家をスタートしたきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。

 荒木太朗(以下荒木) 
けっこう、紆余曲折があったと感じます。僕は最初は芸人で、今「アンガールズ」をやっている田中(卓志)とコンビを組んでいて、同級生の山根(良顕)と一緒に上京してきました。役者の方にも興味があったこともあって、別に仲違いしたとかではなく(笑)、自然な流れで役者にシフトして。主にドラマや映画など映像系の仕事をしたかったのですが、その時に所属していた事務所が舞台を作ることになったんです。「脚本と演出を外注するとお金がかかってしまうから、いる人間で誰かできない?」という話になって、そこで初めて脚本と演出をやることになりました。

・致し方なく、流れでやることになった…という感じだったのでしょうか。

荒木  誰かがやらないと進まなかったので、空気的には「俺なんだろうな」という感じでしたね
八十島  書きたかったんでしょ(笑)?
荒木 「書けるかも」とは思っちゃった(笑)。芸人の時から少し台本は書いていました。最初30分くらいの作品だと言われていたので、なおさら「いけるんじゃないか」と思って。それで書いたら、そこそこできたので、しばらくは自分も出演しながら、ずっとやってきました。

・演出家として5年間のキャリアを経て、今のお気持ちはいかがですか。

荒木  自分としては、まだまだといった気持ちです。ただ、役者を辞めて脚本と演出に専念するようになった時から「脚本家・演出家と名乗っても良いのかもしれない」という思いになってきました。2足のわらじ感ではなくなったというか「そう言うしかなくなった」という部分もありますが

・今回は、これから更に飛躍しそうなお2人がタッグを組まれるのですね。

八十島  僕は、アイディアはどんどん浮かぶんです。ただ、それを綺麗に形にすることとなると、弱い。「こういうのがオモロイと思う。でも、それをどう伝えたらいいんだ」と思ってしまう。それを荒木さんが整理してくれる。荒く書かれたものでも、綺麗に直してくれるんです。すごく良い関係です。


オーディションでものすごく変わった逸材に出会った。
それはもうものすごい宝物を拾ったような気持ちでした。(八十島)

・今回の舞台が出会いのきっかけなのでしょうか。

荒木 同じ現場の違うコーナーにいた…というような距離感ですね。
八十島  一緒の仕事はしたことがないんです。ただ、同じイベントの前半にお兄やん(荒木氏)が出て、後半に僕が出て、というようなことはあった。近くにいながらも挨拶くらいだけだったのですが、打ち上げみたいなのがあった時に話していたら、ふと「なんか楽しいな」と感じて。「先輩なのに先輩ヅラもせんし、何でこんな俺に好きに喋らせてくれるん!」というような(笑)、包容力があったんです。そこからどんどん「お兄やん!お兄やん!」って虜になっていって。今回の舞台のお話の時も「お兄やんとだったらできる」と思いました。

・荒木さんが八十島さんと組まれていて、楽しい瞬間などはどんな時なのでしょうか。

荒木 しょっちゅうあります。彼はアイディアがいっぱいある。僕は逆にアイディアがなかなか出ないので、なんとかしてヤソ(八十島さん)がイメージしていることを形にしてあげたい。それが苦しくなくて、楽しいんです。

・お2人は相性がピッタリなんですね。

八十島 それです!
荒木 アハハ(笑)

・お2人で作り上げられていく中で、ピンチの瞬間などはあったのでしょうか。

八十島 あります。例えば僕の稽古の時間には「こういう演出が面白いから」と提案していきますよね。その後にお兄やんの稽古の時間。2人同時に教えられることはほぼなくて。そんなある時、お兄やんの稽古の後に僕が入ったら「あれ?変わってる」っていうシーンがあったんです。それがすごく良い場合もあるんですけど「あいつの良さが消えてる!」って思うような時があって。なので、それを僕が直す。そして、また次にお兄やんが直した(笑)。この時、役者の話し方についてちょっと話し合ったことはありました。モメるってことはなくて
八十島荒木 「どうする~?」
八十島  って(笑)。僕も何が正解かわからないですから、こんな感じに合わせていってます。ケンカしたらたぶん、僕の方が強いですよ(笑)!

・お2人の仲の良さが伝わってきますね。

八十島  楽しくやってますね。
荒木   ちょっと考え込んだのは、そこだけだったかもね。
八十島  そうですね。他はほとんど、お兄やんが提案したものを「それ良いっすね!」って素直に思えてる。気持ち的に引っかかることもなく、進んでいけていますね。


企画・構成:小宮山薫 インタビュー& 文 :Murata Yumiko  写真:豊川裕之  

舞台「YASOSHIMA Theater〜新しい演劇の世界へようこそ〜」

お笑いコンビ2700八十島弘行と人気コメディ劇団シアターザロケッツ荒木太朗がタッグを組んだ演劇プロジェクト。
“演劇”דコント”דリズム”=?。演劇でもないコントでもない、コメディ作品の新境地を目指す。お笑い芸人2700八十島弘行の舞台初演出作!
■日時:2017年7月6日(木)〜7月9日(日)
■脚本:八十島弘行(2700)
■演出:荒木太朗 (劇団シアターザロケッツ) 八十島弘行(2700)
■会場:中板橋新生館スタジオ
■住所:〒173-0016 東京都板橋区中板橋19-6ダイアパレス中板橋B1
■Official Page http://illuminus21.xsrv.jp/wp/archives/6352

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