舞台「家族のはなし」の開幕が、いよいよ2週間後に迫った。
原作は2013年に、長野県出身の鉄拳が信濃毎日新聞社の140周年を記念して制作したパラパラ漫画。
「アジア太平洋広告祭」フィルム部門、プレス部門ダブル受賞作品でもある本作品を、東京と長野2都市同時開催開催を予定している。
そんな本作品の主人公を演じるのが久保田秀敏と佐藤弘樹だ。二人の座長に本作品の魅力をたっぷり語ってもらった。
*公演パンフレットでは、全編を公開を予定!
久保田秀敏インタビュー
<前略>
-原作の「家族のはなし」はいつご覧になりましたか?
鉄拳さんの作品自体は結構前から見ていて。
「家族のはなし」はオーディションを受ける前に拝見しました。
-ご覧になってどう思いました?
たった8分間くらいの短い動画なんですけど、家族の物語って僕たち役者じゃなくても一人一人みんなあるじゃないですか、そこにすごく共感できたっていうか。
僕も地元が福岡なんですけど、元々は美容師をやるために出てきて就職して働いてたんです。
でもふとした時に役者への道に進んで。言ってみれば博打じゃないですか、売れる確証もないし、生きていける確証もないし。
そんな世界に入ったので、親に「美容師をやるために送り出したのに、そんなことするんだったら早く帰ってきなさい」って言われてた時代もありました。
こうしてお仕事をいただけるようになったので、今となっては両親も応援してくれてるんですけど。
原作を見ながらそういうことを思い返すと、すごくこの話が共感できるし、台詞はないですけど見てるだけで泣きそうになりました。
-久保田さんの「家族のはなし」で印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
僕は高校卒業してから一人暮らししたんですけど、それまでは実家で暮らしていて、朝起きればご飯が用意してあって、学校から帰ったら夜にはお風呂が用意してあって、布団があって、と何不自由ない生活をしてたんですよね。
でも専門学校に行くときに福岡市内に一人暮らしをするってことになってそういう当たり前だと思っていたことがなくなって。
新しい家について、いざ引っ越しの作業が終わって親が家に帰るってなったときに急に寂しさがバーってこみ上げてきました。扉が閉まった瞬間に「あぁ俺生きていけないな」って思って(笑)。
今まではどこかに「親がついていてくれてる」っていう保険みたいな気持ちがあったんですけど、これからはそれがなくなるぞって。その瞬間のことはすごく覚えてますね。
それから先も仕送りでお米を送ってくれたり、実家で作ってるイチゴを送ってくれたり。あ、実家がイチゴ作ってるんですよ。
そうやって今に至っているので、特に何か印象的な会話のやりとりがあったわけじゃないんですけど、家族ってそういう何気ないところで繋がってるんだな、と思いました。
-ご実家、イチゴ作ってるんですか?かなり境遇としては(「家族のはなし」と)似てますね。
そうですね、かなり似てるところがあるので、やっぱり主人公には共感しちゃいますね。
<中略>
「家族のはなし」映画化に先駆けて舞台化ということなので、鉄拳さんのパラパラ漫画の作品を肉体化する・俳優が演じるのはこの座組みが初めてだと思います。その意気込みは?
パラパラ漫画から飛び出して、僕ら役者っていう生身の人間の手で、より立体的に、観客一人一人が自分の家族に投影できるように、必死に演じていきたいです。
最後に、ご来場いただくお客様にメッセージをお願いします。
こういう家族のお話って、人によっていろんな捉え方があって、かつ誰にでも共通するお話でもあると思うんです。そして本作は、単純でありながらすごく深い愛のお話だなと思って。
鉄拳さんの言葉にもあるように「めんどくさい幸せ」っていう部分。その言葉に意味や思いが込められていると思うので、自分の過去とも照らし合わせて、それを丁寧に演じていければな、と思います。
日常的な当たり前なことを、この「家族のはなし」という作品は今年映画化もされるということなので、舞台でも映画でも、この作品を通じて、家族とのふれあいの大事さやありふれた日常の幸せを再確認していただければと思います。
佐藤弘樹インタビュー
<前略>
佐藤さんは都内のご出身ということで、上京のエピソードはないとは思うのですが、原作を読んで共感するところはありましたか?
上京に関しては…ちょっと嫌味になっちゃうかもしれないんですけど…憧れもあって。別の地方から出てきて、全部一新して、不安と期待の中新しい生活が始まる…みたいなところに。
僕は都内の出身で、役者をやるには都内の活動の方が多いので、そういった意味では「brand new◯◯!」みたいなのは自分の人生にはなかったので、それはすごく羨ましかったですね。
大学だといろんな地方出身の子がたくさんいるじゃないですか。それにすごく興味があったので、色々聞いてました。
「こっちに来るまでに親とこういうことがあった」とか「東京がこんなところになってるのに驚いた」みたいな話を聞いて羨ましくて。
逆に上京してきた人達からすると、ずっと都内にいる方が羨ましいってのもあるかもしれないですけど。
なので今回の作品は、上京に関しては経験はないけれどやり甲斐あるなぁと。
あと個人的な話なんですけど、最近引っ越したんですよね。
今ちょうど自分一人で色々はじめた時期なんで、そういう部分では重ねられるかもしれないですね。
なのでこれから「家族のありがたみ」とか実感して来るんじゃないかな、と思ってます。
今までで印象的な家族のエピソード
ちょうど引っ越しして荷物を開けたりしている時に、成人式の時に父親からもらった手紙が出てきたんですよ。
演劇に進みはじめたのが中学の時なんですけど、大学生の時に本格的なプロのお芝居に出たんですね。
それでハタチの頃にもらった手紙だったんですけど。
「どういう風な道に進むかわからないけど、好きな方向に進んでいいよ」と言ってもらえて。
それを10年ぶりに見返して泣きそうになりました。
あと、ウチって家族みんな職業が固いんですよ。その中で僕一人だけ役者なので「反対されるかなぁ」と思ったらそんなことはなかったんですけど、やっぱり常識が違うんですよね。
生活リズムもそうですし、物の考え方もそうですし。
向こうは仕事が安定しているけど、こっちは不安定で、ある時はあるし、ない時はないし。だから両親の考えていた将来設計に僕の人生が当てはまらないらしく。
将来の話をしていても「うーん、どうなるかわからないしなぁ」としか答えられなかったり(笑)
そこらへんはすごくギャップというか「違う世界に来てしまったなぁ」と。
<中略>
「家族のはなし」映画化に先駆けて舞台化ということなので、鉄拳さんのパラパラ漫画の作品を肉体化する・俳優が演じるのはこの座組みが初めてだと思います。その意気込みは?
今回の鉄拳さんの作品みたいに「めっちゃ泣きました!」って色んな人に言われている原作ものに出るのは初めてなので、プレッシャーではありますけど、楽しみではあります。
あの絵柄を生身で表現するのは僕らが初めてになるので、スキーのシュプールじゃないですけど「轍を作る」というか、しっかりと足跡を残したいな、残せるようにやりたいな、と思いますね。
最後に、ご来場いただくお客様にメッセージをお願いします
「楽しみに来てください」ですかね。
多分そんなに難しく考えなくても、そのまんま受け取りに来ていただけたら嬉しいな、と思ってます。
「原作見てないから…」を気にしなくていいし「感動超大作だ!」と構えなくていいので、ただ楽しみに来ていただくとか、それこそ大切な人と一緒に来ていただいたりすると嬉しいです。
*公演パンフレットでは、全編を公開を予定!
企画・構成:小宮山薫 、インタビュー:冨坂 友(アガリスクエンターテイメント)、写真:MONSTERS,INC
公演概要
▼公演概要
舞台「家族のはなし」
原作:パラパラ漫画「家族のはなし」(作:鉄拳)
脚本・演出:吉田武寛(LIPS*S , ILLUMINUS)
*長野公演:2018年5月3日(木)〜5月4日(金)サントミューゼ 小ホール
*東京公演:2018年5月11日(金)〜5月13日(日)IMAホール
協力:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
主催:ILLUMINUS (運営:FreeK-Laboratory)
【出演】
久保田秀敏
佐藤弘樹
・
栗生みな
岡田彩花(東京公演のみ)
まなこ(Q'ulle)(長野公演のみ)
松田彩希
金子さやか
髙橋 彩香(AKB48)(長野公演のみ)
HAKU(SUPER FANTASY)
古川龍慶
妹田佳奈子(東京公演のみ)
山崎穂波
千歳ゆう
疋田誉人
大橋篤(長野公演のみ)
川畑亮人
江益 凛(東京公演のみ)
・
瀬尾卓也(東京公演のみ)
宮下貴浩(東京公演のみ)
新里哲太郎
中谷智昭
宮澤正(長野公演のみ)
・
天津木村
【ダンサー・コーラス】
(50音順)
藍羽舞
伊東映里奈(東京公演のみ)
岡田和奈
高坂美羽(東京公演のみ)
齊藤 雛子(東京公演のみ)
瀬戸沙織
重石邑菜(東京公演のみ)
高津木乃美
関谷あづみ
南條あかね(東京公演のみ)
花澤優季(東京公演のみ)
山崎未来(東京公演のみ)
上田市少年少女合唱団 (長野公演のみ)
【長野公演スケジュール】
日時:2018年2018年5月3日(水)〜5月4日(木)
会場: サントミューゼ 小ホール
所在地: 〒386-0025 長野県上田市天神三丁目15−15−15
公演スケジュール(3stage)
5月3日(水) / 18:00~
5月4日(木) 12:00〜 / 16:00~
*終演後アフタートークあり
【東京公演スケジュール】
日時:2018年5月11日(金)〜5月13日(日)
会場: IMAホール
所在地: 〒179-0072 東京都練馬区光が丘5丁目1−1
公演スケジュール(5stage)
5月11日(金) 19:00〜
5月12日(土) 14:00〜 / 19:00~
5月13日(日) 12:00〜 / 16:00~
【チケット料金】
S席 ¥7,000 (前列良席、S席特典あり)
A席 ¥6,000
*長野県民割-¥1000オフ(A席のみ対象。受付で身分証明書のご提示をいただくと1000キャッシュバック)
【Official Page】
https://www.illuminus-kazoku.net
【チケット販売URL】
家族のはなし【長野公演】
http://confetti-web.com/tekkenkazokungn
家族のはなし【東京公演】
http://confetti-web.com/tekkenkazokutko